レーシングポニー

2019/8/18
革を手縫いする時に、両手を使えるように革を固定する道具が、レーシングポニーと云われるものだ。今回作ったのはごくごく一般的なものです。図面
1.革を挟むアーム部分は栗材を使った。先ずは長さ方向のカット。
2.次に幅を50mmにカット。
3.ドラムサンダーで表面を研磨。
4.アームの根元部。R25の半円をマーキング。
5.R部を糸鋸でカット。
6.ディスクサンダーでR部の仕上げ。
7.アームの片側はヒンジで折れ曲がるようにするので、ヒンジ取付位置で切断。
8.ヒンジの中央部が膨らんでいるので、そこを逃がすためにR3の面取り加工をルーターで行う。
9.R部の拡大。
10.これはアームの先端に付く革を挟むジョーの部分。アームを入れる幅50mm×深さ3mmの溝加工。
11.45度の面取り加工は自作の留め切り治具を使ってカット。アームの先端面取り部も同様にカットした。
12.左右のジョー部分が完成。
13.左側のアームに爪付ナットを入れる穴加工。最初にフォスナービットで25mm×深さ2oの穴をあけ、その後10oの穴あけ加工をする。
14.爪付ナットにM8のボルトを捻じ込み、バイスで挟むと水平に取付けることが出来る。
15.ヒンジの取付け準備。左のアームの上に分割した右アームを乗せて、クランプでワークベンチに固定。
16.この状態で、ヒンジ用のセンター出しビットを使って下穴をあけると、ヒンジをズレルことなく取付けできる。
17.ヒンジを仮り付けして、ガタとか動きを確認。
18.これはレバークイッククランプ用の、スタッドボルトを捻じ込む爪付ナット用の穴加工で、左右のアームをクランプで固定し、先に左アームに爪付ナットが入る25mmの座グリを行い、次に左右のアームに6mmの通し穴をあけ、最後に左アームに10mmの穴をあける。
19.これはアームを取り付けるピボットパーツだ。栗材で直径70mmと50mmの段差を付けて、50mm部分は先端を球状に仕上げている。
20.直径50mmの部分の両サイドをカットして、幅を35mmに仕上げるのにはルーターレースを使った。ルーターレースにトリマーM6をセットし、径28mmのビットで2面を切削した。
21.ワークを180°反転させるのには、この割出プレーをを使った。
22.径28mmのビットでは全面を平面にすることは出来ない。
23.削り残した部分は木工ヤスリで平面に仕上げた。
24.2面を平面に仕上げた状態。この後パーティングツールで所定の長さにカット。
25.カットしたピボットパーツにアーム部を取り付けるM8ボルト用の8mm穴あけ。
26.これはピボット部が乗るベースになる部分で、20mm厚のゴムの木集成板を所定の幅にカット。
27.ベース裏側のM8六角穴付きボルトの頭を沈める座グリ加工。20mmのフォスナービットで12.5mmの座グリをした後、8mmの通し穴加工。
28.レバークイッククランプを接続するスタッドボルトは、真鍮の丸棒から作ることにした。先ずはM8のダイス加工。
29.長さ32mmにカット。
30.センター加工。
31.M6のタップ加工。
32.端面の仕上げ。
33.チャッキングしたままM6タップ。テールストックで押しながらタップ加工すると、垂直にタップを立てることが出来る。
34.完成したスタッドボルト。
35.レバークイッククランプの軸が通る右側のアーム。スタッドボルト部分が固定なので、クランプの6mm軸が移動できるように、6mmの穴を10mmの長穴に修正した。
36.これはコイルスプリングをセンターに保つカラーだ。外径12.5mmで6oの穴あけ。
37.スタッドボルト側のカラーは内径8oに拡張。
38.スプリング内側にカラーを入れて、レバークランプをセットした状態。
39.レバークランプのノブ部分。ノブを回転させてレザーを掴む隙間を調整し、このレバーを押し下げる事(写真の状態の場合)によりしっかりと掴むことが出来る。
40.アーム先端のジョー部分に貼り付ける、滑り止めシート。厚さ1mmで粘着剤が付いたシリコンシートだ。
41.ジョーの内側部分に貼り付けた状態。
42.作業中にポニーが動かないように、ベースプレートの裏側にも滑り止めシートを貼り付けた。
43.折り畳んだ上面から。
44.前面から。思ったよりコンパクトに収納できそうだ。
作業する時には、アームを60〜90°位の位置で固定することになる。
これくらいの角度で作業すると、糸がクランプの柄に絡まないだろう。

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