五角箸削り治具

2021/9/30
長野県の障害者授産施設の方から、五角箸を商品化したいので治具を作って欲しいとの依頼があった。木曽ヒノキを使うようなので、先端を少し太めにする治具を作ってお送りした。障害者の皆さんが使いこなせることが出来れば、あと2台は必要になるようだ。図面
1.四角のブランク材に五角形をマーキングする治具は、前回作ったものより少し大きめになっている。
2.5.5mmのべニア板を貼り付けて、片手持ててマーキングし易くした。
3.これは治具図面の4番の溝を削るときに使用する、テーパー状に削る為の治具だ。図面
4.頭を45度にカットする治具も見栄えを良くした(^^)。
長野に旅立つ治具類。プロジェクトが成功することを祈っている。

2019/12/8
五角の箸は手に馴染みやすい形で、とても持ち易いと評判のようだが、正確な五角形を削り出すのはとても難しい。そこで素人でも簡単に五角の箸が作ることが出来る治具を作ってみた。図面
1.材料は10年前に笹田木材で購入したブビンガを使うことにした。
2.幅が100mm程度しかないので、ビスケットでジョイント。
3.ドラムサンダーで目違いを修正。ジョイントしたとは思えないような仕上がりになった。
4.幅155mmにカット。端材は端面の押え板に使える。
5.長さ248mmにカット。
6.155W×248L×32tのベース材が完成。
7.今回の108度の溝を切る為に、ヤフオクで落札したマキタのトリマー3702。これをルーターベースに取付けた。
8.90度のビットを取り付けて、テーブル面とビット面が144度になるように傾きを調整。こんな時はデジタル式プロトラクターが便利だ。
9.図中の@溝の切り完了。
10.次に図中のB溝の切り。最初に144度傾けたビットで90度の溝切り。
11.次にワークを反転させて、反対側をカットすれば108度の溝が完成だ。
12.今度は図中Cの溝を切る。108度でテーパー状の溝なので、ワークの端に厚さ5.5mmの板を両面テープで貼り付けた。
13.こういう状態で溝を切るとテーパー状になる。
14.ここで問題が発生した。トリマーテーブルの左側が狭くて、ワークがテーブルからはみ出して正確なテーパーが切れないのだ。で、急遽べニア板で延長テーブルを作成したのだ。
15.手順はBの溝切りと同じだが、板を張り付けた部分の溝深さは1.5mmとなっている。
16.カット面から見たテーパー溝の部分。
17.板を貼っていない部分の溝深さは7mmだ。
18.最後に図中Aの溝切りだ。ここではビット面を162度に合わせた。
19.溝Aの完成。
20.これで4本の溝全部が完成だ。
21.これからは両端の押え板の製作だ。先ずは挽き割り。
22.155mmの長さにカット。
23.固定側の押え板。最初にM6の六角穴付きボルトを沈める15mmの座グリ。
24.次に7mmの穴あけ。
25.これは移動側の押え板で、同じように15mmの座グリと10mmのガイドピン用の穴をあけた。
26.本体の固定側押え板のをつける側に、1ヵ所のみ9mmの下穴をあけて爪付ナットM6×13Lを打ち込み。ボルトを入れて打ち込むとネジが傷まない。
27.押え板をネジ止めして、残り2ヵ所の穴は7mmドリルで共あけした。これでズレる心配はない。
28.鬼目ナットが入るように、7mmの穴を9mmに拡張。
29.移動押え板が付く側の本体に、スプリングが入る座グリ15mm×6.5深さ。
30.押え板をクランプとハタガネで固定し、最初に左側へ10mmの穴をあけて、ピンを差し込んだ状態で右側の穴をあけた。
31.中央にM6鬼目ナットが入る9mmの穴あけ。
32.各パーツをオイルフィニッシュした後で組立だ。固定側の押え板を組み付けた状態。
33.移動側の押え板に直径10mmのガイドピンを接着。因みにガイドピンはチーク材だ。
34.押え板の表側はガイドピンを挿入後、サンドペーパーで仕上げた。
35.15mmの座グリ部には圧縮コイルバネを挿入。
36.ガイドピンとコイルバネの組付部。
37.レバークランプを捻じ込んで、移動側押え板の組付け完了。
38.レバークランプは、レーシングポニーを作った時に余分に買っていたものだ。
39.外観。適度に重くて使い勝手は良さそうだ。
40.クランプを左右に動かすと押え板が移動して、材料をしっかりと固定できる。(写真にマウスを載せてください)
41.どの溝で削るのかを判り易くするように、レーザーで順番を刻印した。
42.1番から順に溝に入れて鉋掛けすると、六角になる筈だ。
43.材料端にマーキングするテンプレート。たまたま古いモンベルの会員カードが工房に有ったので、レーザーで切ってみたら意外と綺麗に切ることが出来た。
44.対角線の長さが≒8oと≒9oの五角形穴。会員番号部分を切り取って、テンプレートの完成だ。
45.材料は10o角。取り敢えず紫檀の角棒を切り出し。
46.テンプレートで材料の端面にマーキング。
47.正確に五角形がマーク出来る。
48.左写真の底辺を左下にして1番の溝に入れて、上面を鉋掛けした状態だ。
49.1番で削った面を右にして2番の溝に入れて、上面を鉋掛けした状態だ。
50.108度になった角を下にして3番の溝に入れて、上面を削っていくと六角の棒が出来上がる。
51.最後はテーパー状に仕上げるために、4番の溝に入れて順次各辺を鉋掛けしていく。
52.少しずつ削るのがポイントだ。そうするとテーパー状の五角棒が出来上がってくる。
53.箸の格好になってきた。
54.次は頭を45度の五角錐にカットする治具作りだ。テーパーになっている溝は作りが難しいので、図面の断面通りのパーツをスライドソーで切り出した。治具図面
55.パーツは3点。これらを現合で箸に合わせながら、木工ボンドで接着した。
56.接着したら45度のカットする線をマーキングして、スライドソーでカットした。
57.五角錐治具の完成だ。
58.ディスクサンダーに治具の45度にカットした面を合わせて、五角の各辺をサンディングすると五角錐になるわけだ。
頂点が中央になっている、綺麗な頭頂部が出来上がった。
仕上げには木固めエースと仕上げクリヤーを使った。
含浸用のパイプを設計しているので、後日紹介しましょう。
初めてとしてはまぁまぁの出来かな。次は色々な材で挑戦してみよう!

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