Kerfmakerと専用ガイドバー

2020/12/27
コースターや鍋敷きの製作には、一般的に十字相欠き継ぎ手が使われる。簡単な継手だがワークと同じ幅の溝を切るのは少々難しいので、海外ではKERFMAKERと云う治具が売られている。検索してみると色々な形で自作されているが、Pinterestで見つけたシンプルな構造のホームメイド品を参考に製作してみた。図面
1.材料はタモと紫檀を使いツートンカラーにすることにした。スライド部分とL字パーツがタモ材だ。
2.厚さ25mmのタモを26.5mm幅にカット。紫檀の方も同様にして溝を切っている。
3.幅12mm、深さ6mmの溝切り。片側が厚くなっているが、この部分は後で切断して厚さ20mmに調整した。
4.タモ材に切り欠く部分をマーキング。左部分がスライド部で、右のL字部分は図面上で右下のパーツとなる。
5.クロスカットスレッドとワークの間に、捨て板を入れて端の部分を切り欠き。刃の厚さが2.5mmなので10往復しないと切れない。
6.同様に中央部分の切り欠き加工。ここは長さが82mmなので33往復だ。こんな時はダドブレードがあると便利だ。
7.L字パーツの切り離し。
8.L字パーツの長穴両端に6mmの穴あけ。
9.同じようにスライドパーツにも6mmの穴あけ。
10.長穴は糸鋸盤で加工。
11.スライドパーツも同様に糸鋸盤で加工。
12.これは紫檀で作る本体部分に接着するガイドレールだ。タモ材を12mm角に加工。
13.本体の溝にガイドレールを接着。
14.L字パーツを固定するスタッドボルトを捻じ込むための、タップ下穴5mm。
15.同様にスライドパーツを固定する部分のタップ下穴、5mm。
16.M5タップ加工。
17.M5タップ加工。
18.スタッドボルト。M6長ネジを長さ18mmに切断した。
19.スライドパーツとL字パーツを本体に固定して、ガイドレールの不要部分をカット。赤色のツマミは自転車用のレバークイッククランプに付属していたものだ。クランプ本体はレーシングポニーの製作に使ったので、このツマミだけが残っていた。実はこのツマミに合わせてKerfmakerの寸法を決めて作図したのだ。
20.反対側も面一になるようにカット。
21.これは本体に取り付けるストッパーとなる幅20mm、6mm厚のタモ材だ。これを長さ53mmにカット。
22.ストッパーを本体に接着してから、ビス用の下穴2mm。
23.ストッパーに3.3mmの穴あけ。
24.座グリ加工。
25.ビス止め。
26.これでKerfmakerの完成だ。
27.次はKerfmakerのL字パーツ部分を、ブレードの厚み分だけオフセットする治具の製作だ。先ずは本体に使った紫檀の切れ端の先に、切れ目を入れる。
28.薄い方を切断。
29.切断した部分を接着。
30.この段差がブレードの厚さ部分と同じ寸法になる訳だ。
Kerfmakerとオフセット治具。
オフセット治具の上にKerfmakerを乗せて、L字パーツを段差に合わせてスライドさせる。
そうするとL字の出っ張り部分がブレードの厚さとなる。


ここからはクロスカットスレッド上で、Kerfmakerを安全に使うためのガイドバーの製作だ。クロスカットスレッドはブレードの中心をフェンスが通り過ぎないように設計しているので、そのままだとワークに切る溝が水平にならない。そこでこのガイドを挟んで使うことにしたのだ。また、長いワークにも対応出来るように、ガイドバーはフェンスからずらすことが出来る構造になっている。図面
34.材料のツーバイ材の両面にプレナー掛けし、両耳の部分を切り落として巾60mmに調整。
35.T溝加工だが、最初に1/4”のストレートビットで、深さ12mmの溝切り。インチサイズを使ったのは、たまたまT字ビットの手持ちが1/2"しか無かった為だ。
36.フェンスにはストッパーを付けて、位置決めをした方が安全だ。
37.次に1/2"×7LのビットでTに加工。
38.CAPボルトの頭が入る座グリ、φ12mm×10mm深さ。
39.6mmの通し穴加工。
40.角ナットを付けて、クロスカットスレッドのフェンス溝に差し込んだ状態。
41.CAPボルトを締めると、フェンスの任意の位置で固定できる。
クロスカットスレッドの両端に、ガイドを合わせた状態。この場合にはワーク長さはmax200mmくらいだ。
ガイドを右の方向にずらして、ガイドバーがブレードに掛かる位置で止めた状態。ワーク長は380mmくらいまで加工出来そうだ。まだまだガイドを右にずらす事は出来るが、ワークの切り欠き両端がガイドに当たる位置で作業した方が安全だろう。
ガイドバーにクロスカットスレッド用に製作したアジャスタブルストッパーを取り付けて、Kerfmaker、ワークの順に並べ使うことになる。詳しい使い方Kerfmaker使用例を見て下さい。

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