取間尺(トリマスケール)

 2002/02/03

最近トリマを使う機会が増えてきた。
トリマは単体或いはスタンドに取り付けてもビットの調整はやり難いし測定も正確にできない。
そこで、ビットの突き出し長さ測定治具を作ってみました。
構造は図面を参照して下さい。


図面


予算を絞るために材料を探してみたところ、以前ワトコオイルのサンプルを買ったときに頂いた堅そうな板と
TOOLS.GRさんから頂いたセッティングメジャーが出てきた。
これは本体に使うとして、スライダー部分は固い材料が欲しいので紫檀をホームセンターで購入することにした。
30mm×200mmL×6mmtで190円だ。2枚購入して貼り合わせて使うことにしました。
また、マグネットも4個200円で一緒に購入した。


 --作業手順--
先ず本体の溝加工をトリマで行います。
中央は10mmのビットで深さ12mmに削り凹の部分は溝切ビットφ28mm×6mmで一発加工します。


また、サイドの窪みはスケールになるのでノギスで正確に測りながら削ります。
あとの部分は図面通りトリマで加工するだけです。


次にスライダー部分ですが、2枚の板を木工ボンドで貼り合わせてから厚みを揃えるために両面を削ります。
ガイドはアングルを使いクイッククランプで締め付けています。このクランプものすごく使い易いですよ。TOOLS GR.で購入しました。


厚さが一定になったら凸部を削りだします。
このときに本体の溝に合わせながらスライダーがスムースに滑るまで削ります。
削り過ぎると元に戻りませんからね。


削り終わるとストッパーになる木片を貼り付けます。


そして、本体と組み合わせた状態で上下をスライドソーで同時にカットします。
これで本体とスライダーが同じ長さになり直角も出ます。


小物パーツの作り方ですが、
クリップのR部はサンドペーパーで仕上げて本体の溝にピッタリ収まるように調整します。
厚みも同様です。ノブは何でも使えると思いましたが、せっかくなのでドリル旋盤で黒檀を削り出しました。
M4のネジを黒檀の板に捻じ込み、瞬間接着剤で固定したあと削ります。


最後はセッティングメジャーを貼り付けて目盛りを刻みます。
主目盛りはそのままで使えますが、副目盛りはテプラのテープを貼り付け19mmを4等分することにより0.25mmまで計れるようにしています。
また、スケールを貼り付ける部分をトリマで掘り下げスッキリ収めています。


いよいよ最後です。両サイドの窪みの深さが判るように数字を書き込みます。
私はダイヤモンドルーターで掘り込みましたが、マジックインクでも十分です。
それと、マグネットはエポキシ系の接着材で固定します。
最後はワトコでお化粧しましょう。


 --使い方は5種類有ります。--
1.トリマ単体でビットの出具合を測る。
 目指す寸法位置でスライダーを固定して使います。


2.トリマスタンドに付けたときの寸法を測る。
 1と同様ですがマグネットが便利です。(但し鉄製のテーブルの時です)


3.トリマスタンドに付けたときの横方向のオーバーハングを測る。
 ビットに直角の方向の距離を測ります。マグネットが便利です。(但し鉄製のガイドの時です)


4.本体サイドの窪みで出具合を測る。
 固定寸法になっているので重宝します。


5.トリマで溝なんかを切るときにガイドの距離を決める。
左側面にある0の位置がトリマのセンターになります。
この位置からビットの半径分を足したり引いた位置が溝の端になる訳です。
但しこの寸法は日立のM6に合わせています。


これからのトリマワークが楽しくなりそうです。

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