木工旋盤倣い装置
2003/10/5
一般的な木工旋盤で同じ物を作るのは高度な技術が必要だ。
なぜなら金工旋盤のようなXYスライドテーブルが附属していない。
大量生産をするつもりは無いが、ゴミ捨て場でスライドシリンダーを拾ったので旋盤の倣い装置を作ってみた。
倣いの心臓部ともいえるスライド部には、前述のシリンダーを使うことで設計を進めた。
図 面 部品図は手書きでバラシたので掲載していません。
このシリンダーはロッドレスエアーシリンダーだったので、そのまま使うとスライド抵抗が大きい。
そこで両端のベースを外し、内部のピストン(強力マグネット)を抜き取った。
Y方向についてはストロークも小さいので、特別なスライドガイドは使わずに10mmのキー材を加工した。
また、アングルの加工とかステムの製作には大型の旋盤とかフライス盤が必要なので、材料のみ購入し近所の鉄工所の機械を借りて加工した。
その他の材料はホームセンターで購入したアルミプレートなので、自前の工具で加工可能だ。
写真は素材のアルミプレートとご近所で加工したアングルとステムだ。
アルミプレートは金ノコで切りヤスリで仕上げ、タップ加工するだけなので難しくは無い。
ただ残暑厳しい中での切断作業にはほとほと疲れた。
スライドガイドにアルミプレートと木製ガイドを取り付けた状態です。
ツールスタンドのスライドガイドは合板を使っている。
また、スムースに滑るように敷居に使うPEのテープを貼っている。
パーツが揃ってきたので組み立ててみた。
ツールホルダーの固定用のノブと模範トレース用のピンに付いているノブは紫檀で作った。
トレース用のピンは図面には入っていないが、単にツールホルダーにφ2mmの穴を明けてピンを刺し込んでいるだけだ。
ツールホルダーは10mmのキー材を加工し、先端にHSSのバイトを保持できるようになっている。このツールホルダーは以前紹介したベビーモーター仕様の木工旋盤を作った時に自作したものだ。
模範をセットする手前のテーブルに、模範位置決め用の7mm角材を貼り付けた。
写真では見づらいがスライドシリンダーに接する部分にはPEのシートを貼り付けている。
操作してみるとノブが欲しくなった。Y方向はジャンクボックスにあったプラスチック製の丸玉を使い、X方向は栗の角材から作ったキウイサイズのノブだ。
前の写真よりノブの色がしっとりしているのは、WATCOオイル仕上げのせいかもしれない。
装置の下側から見るとこんな感じです。ここまでの説明では模範のセットの仕方が説明不足ですね。
次回は実際の模範をセットして使い方を紹介しましょう。