2000/02/19

◆冷水病というのは、アユとギンザケの養殖現場で全国的に流行している病気です。
低水温期に発病することから冷水病と名づけられています。もともとは北米のマスの病気で、日本ではギンザケで1985頃から散見され始め、アユの冷水病は1987年2月に徳島県で最初に確認されました。
それはびわ湖産稚アユ輸送後2〜3日に発生したもので、その後徳島県のアユ養殖鳩では、2〜5月を中心としてほぼ周年発生が見られるようです。
現在では、全国各地のアユ養殖場で湖産、人工、海産のいずれにも発生しており、毎年かなりの被害を出しています。また、びわ湖や河川のアユからも感染した魚が見つかっており、慢性病化しているようでアユ師にとっては心配なことです。。
更に、1997年神奈川県で初めてヤマメにも冷水病が確認されています。
◆昔から川魚が病気で死ぬということはあまりないことであり、これは河川環境の悪化に伴い、放流でしか鮎やアメゴの絶対量を確保出来ない現実が生み出した、現代病のように思われてなりません。
人間が魚の成長期にかかわることによって引き起こされた悲劇とも云えるでしょう。
◆原因
原因菌は、フラボバクテリウム・サイクロフィラム(Flavobacterium Psychrophilum)と命名されています。

◆症状
死亡率は20〜50%と云われていますが、後遺症は体表の「穴あき」や尾鰭の欠落が特徴的ですが、症状が全く認められないこともあるようです。
アユ釣りをしている方は思い当たることが有る筈です。
◆予防(治療)
アユについては、薬剤感受性試験の結果からアユへの使用が認められているスルフイソゾールとフロルフェニコールに効果が期待できます。しかし、年々耐性化の傾向が認められているようなので決定的な対策ではないようです。
薬に頼らない方法として、飼育水温を25℃に上昇させることで治癒した報告もあります。しかし、それは活動を停止しただけであって再発すると云う話しも聞きます。また、簡単に温度を揚げると云っても現実には天然の環境では無理な話しだし、養殖するにも燃料代がかかって無理でしょうね。
◆冷水病のアユ食って大丈夫? そんな気分になってきますが、冷水病の原因となる細菌は今のところ人間には感染しないようです。
どうしても気になる場合は焼いたり、てんぷらにしたりして熱をかけるといいでしょう。
それよりも冷水病ワクチンが開発され、それを投与されたアユを食べる日がこないことを祈りたいものです。
清流で綺麗なアユと再開。今から楽しみですね〜〜。


[Home]