フライ用ランディングネット

2004/02/11
フライフィッシングに無くてはならないアクセサリーにランディングネットがある。
市販のもので機能的には充分だが、クラフトマンとして製作過程が面白そうだし、解禁に向け気分を盛り上げるのもいいかなと思いチャレンジしてみた。
最初にフレーム成型用の型を作ります。フレームの巾が15mmなので、型材はそれ以上の厚みが必要だ。しかし、手持ちでは厚さが12mmのコンパネしかなかったので3mmのベニアを貼り付けて使う事にした。
ちょうどモニター商品として水性接着剤「ペンギンクイック1940」をサンスター技研さんから頂いていたので、テストも兼ねて使ってみました。





ネット全体のイメージをケント紙に描き、型材に写します。お絵かきソフトで描いた型紙を添付しますので、参考にして下さい。
全長380mm、ネット周長650mmの小型渓流用です。
型紙



1点鎖線はフレームの外形を示していますので、実線部を切り抜いてください。フレーム材をなじませるためにグリップ部は実際より長めにカットしています。上の写真と比較してもらえばよく解ります。
型紙は後でもう一度使いますので、まだ捨てないように。




糸鋸盤で切り抜き、周囲をサンドペーパーで整えます。この時に周囲の面が斜めにならない用に注意しましょう。



糸鋸盤を出したついでにグリップも切り抜く事にした。材料はYahooオークションで購入したマドローネ・バールだ。
ん、厚さが25mmもあるのに気がつき、糸鋸にかける前にバンドソーで16mmにスライスした。そしてかんなで両面を滑らかに仕上げます。
1枚しかないので鉋を持つ手が慎重になりますなぁ。



先ほど使った型紙のグリップ部を切り離し、材料に写します。
型を当ててみるとカーブネットを作るにはギリギリの大きさだ、やはり巾100mmくらいのグリップ材が欲しい。
次回オークションでは大きさをよく確かめなくては・・・



慎重に糸鋸盤で切り抜き型材と同じようにサンドペーパーで周囲を滑らかに整えます。
直角が出るようにコーヒー缶にペーパーを巻きつけて磨くといい。スピンドルサンダーが有れば作業もはかどるんだが・・・、無い物ねだりしてもしゃぁねえか。でも欲しい。
また、面取りはしないほうが良いでしょう。面取りするとグリップとフレームに隙間が出来ると思います。多分・・。





フレーム材を型材に固定するため型材の周囲にΦ5mmの丸棒を打ち込みます。木ねじか釘でも機能的には問題ないのですが、何故かこんなジグにでも凝ってしまいます。
丸棒は両サイドに12mm突き出すため、全長は40mmだ。全部で31本必要になるが、定寸に切断するためにこんな冶具を作ると、作業は楽チンだ。
ここでも接着剤は「ペンギンクイック1940」を使ってみた。最初板を張り合わせる時は気温が低かったのか、接着に時間が掛かったが、この作業の時は暖かい日だったので、速乾で使い易かった。




カーブがきつい所はピッチも短くしましょう。
本日の作業はここまでです。次回はフレームの曲げ加工になります。



2004/02/15
いよいよフレームの曲げ加工だ。材料はオークションで購入したメープルとウォールナット、巾15mm、厚さ1.5mm、長さ1220mmだ。
フレームの厚さを6mmと想定しているので、ウォールナット2枚をメイプルで両サイドから挟む事にした。
それと外側に紐の後が付かないように保護する板が必要だ。私は巾15mm、厚さ2mmのヒノキをホームセンターで50円で購入した。しかし、長さが900mmしかないので途中で繋ぐ必要がある。



それら全ての材料を浴槽の残り湯に放り込み、一晩漬けておきます。すると、板はゴムのようにぐにゃぐにゃと曲がります。
5枚の板の端を揃え、コンパネの型に沿って曲げていきます。丸棒にPPテープを掛けながら作業すると簡単です。最後にアールのきつい部分に強力なゴムバンドを掛けました。念のためです。
このまま、1週間くらい乾燥させると型がつくでしょう。



乾くまでに時間が有るので、フレームの周囲に掘る溝用の鉋を作ってみた。
今使っているネットを観察すると、溝は巾、深さともに1.5mmくらいだ。
そこでジグソーのブレードを巾15mmの木片に埋め込み、両サイドにガイドを付けた鉋らしきものを作ってみた。最初にジグソーのブレードをグラインダーで3〜4山刃を残すつもりで写真のように整形します。



次に15mm幅の木片の中央に溝を入れ、エポキシ系の接着剤でブレードを接着します。溝は刃以外の両サイドは面取りをして、鉋屑の吐き出しを良くします。
木片の両サイドにガイドになる板を貼り付け、Φ5のピンを打ち込んで完成です。さて、上手に削れるかかどうか楽しみです。
次回はグリップとフレームの接着だ。



2004/02/22


型から外すとスプリングバックで広がりますが、アールのきつい部分はきれいに曲がっています。


フレームの接着にはエポキシ系の接着剤を使います。イエローグルーを使う事も考えましたが、速乾性なので4枚を短時間でズレ無く接着する自信がありませんでした。
ここで迷いが生じました。型を使ってフレームだけ先に接着した方がいいのか、それともグリップも一緒に接着した方がいいのか・・・。
迷った挙句、後者を選択しました。エポキシははみ出ると始末が悪い、簡単に拭き取れないからです。そこで、接着剤を塗らない面にはセロハンテープを張り付けてみました。
お蔭でエポキシでベトベトの手でも安心して触る事が出来ました。



内側から1枚づつ接着して最後に隙間が出来ないように、ウレタンテープでぐるぐる巻きにします。
周長を650mmと思っていましたが、渓流用としては大きいかなと思い直し、620mmに修正しました。
この型一つでフレキシブルに周長対応できることが判ったのは収穫だね。



ウレタンテープは適度な締め付け力があり、ソフトなのでフレーム材に傷も付きません。



接着剤が硬化する前にゴムバンドで引っ張り、形をもう一度整えます。
完全に硬化するとテープが取れなくなる惧れがありますので、8時間くらい乾燥してからウレタンテープを外します。
その後1日乾燥して、いよいよ次回は鉋のデビューです。



2004/03/10

2月末から2週間連続でお休みがふさがり、まだ解禁出来ていません。ネットメイキングもラストスパートです。
ウレタンテープを外し表面に付いた接着剤をサンドペーパー#120で軽く落とし、グリップを所定の長さに切断します。
実際に持ってみて、バランスを考え型紙より8mmほど長くしました。



お待たせしました、いよいよ溝切り鉋の出番です。
フレームに鉋を差し込み軽く手前に引くと、簡単に削れます。仕上がり状態も良い。
この鉋はお薦めです。ネットメイキング以外にも応用範囲が広がりそうです。



グリップエンドに付けるヒートンもこの際自作する事にした。
Φ6mmの真鍮丸棒の側面にΦ2.5mmのドリル穴をあけ、15mmほどの長さに切断し旋盤で段を付けます。
真鍮なのでヤスリで簡単に成型できます。最後に青棒で磨くと完成です。



グリップエンドにヒートン挿入用の穴を明けます。Φ4.5mmです。



フレームにネット取り付け用の穴を明けます。Φ2mmです。リリースネット用なので穴数に制限はありませんが、予めピッチ18mmでフレームの溝に35箇所の穴あけ位置をマーキングします。
穴を明ける時はフレームに対して直角になるよう、慎重に行いましょう。
ここまで出来たら後はサンドペーパーの#180、#230、#320を使いひたすら磨きます。
さて次回は表面仕上げです。


2004/03/21

仕上げはウレタン塗装かオイルフィニッシュか迷ったが、ウッドターニングで最近凝っている桐油+バフ仕上げに決めた。
桐油は仕上がりが丈夫で耐水性・耐アルコール性が高く、そのうえ無毒の高級オイルです。
ここでは2回塗りとしました。



次に木工旋盤にバッフィングマンドレルを取り付け、トリポイバー、ホワイトバー、カルナバワックスの順に仕上げるとピカピカになります。
詳しく知りたい方はウッドターニングの作品集-4を参考にして下さい。



バフ掛けするとこんなに綺麗になります。
ヒートンを接着し最後のネット張りに進もう。



ネットはC&F製のリリースタイプを購入した。周囲を洗濯バサミでネットを仮止めしておくと綺麗に張れます。
フレームに傷が付かないようにウレタンクッションを挟んでおきましょう。
紐は手芸店で購入したTOHO Craft製のカラーコードグリーンを使用した。携帯ストラップとかビーズネックレスに使うやつです。

さて、残るは入魂式だけだ。次はfishingコーナーでお会いしましょう。




2004/04/10


上勝で入魂式をしてきました。カーブが手にフィットし使いやすネットに仕上がりました。


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