ウッドターニング作品 その49

2010/8/1
お香台

トリマーレース同期ユニットを使って、ねじりん棒のような形状をした支柱を作ってみた。それがレトロな雰囲気を醸し出していたので、なんとなく香を焚く台をに向かって行った訳なのです。また、自作のドリルテーブルの試運転も出来ました。
1.材料は桜。35mm角をø30mmに削り、ギャーユニットを取り付けて溝を掘っていきます。最初は60度の三角ビットを使い、120度ずらしながら少しずつ3本の溝を切っていくのです。
2.ビットをø6mmのストレートに変えてワークの中心まで押し込んで切り進めると、中空のねじりん棒が姿を現してくる。ただ、ワークの剛性がなくなりゴムのように柔軟になって来るので、時々アンダーカットを起こしてしまう。解決策は次の課題になりそうだ。
3.サンドペーパーで角を落とすと、3本の丸棒が絡み合ったような不思議な形が出て来ました。一応は想定していたのですが、感激の一瞬だね。
4.古典的な形状をしているので、あんまり好きじゃないんだけどステインで煤けた色にしてみた。
5.ねじりん棒が載る台座。材料は同じく桜で、以前紹介した「翼の小物入れ」と同じ手法で削ります。バンドソーで荒削りしたワークをスクリューチャックで固定。
6.よく研いだガウジで表面を仕上げ、ねじりん棒を差し込むø15mmの穴と切断代を作ります。
7.掴み代になるボスを接着。これはねじりん棒の端材を使っているのです。ボスは接着面がø15mmの凸状になっており、ワークの穴に差し込んでいる。勿論差し込んだ部分は接着していません。掴み代を切断するときにワークが飛ぶのを防ぐための工夫です。
8.掴みなおして内側をターニング。何回やってもこれは緊張しますね。扇風機に指を突っ込むようなものだからねぇ。
9.ボスをパーティングツールで切断。ø15mmの差し込んだ凸の部分まで切り込み、回転を止めてからワークを引き抜くのです。こうすればワークが飛ぶことは無い。
10.ねじりん棒と同じようにステインで着色し接着。次は上部のお皿せ製作だ。
11.お皿の材料はレッドオーク。自作の特殊エキセントリックスクリューチャックで外形を削り出します。
12.これまた自作のドリルスタンドをセットし、マイクロルーターのビットを掴みセンターを突きます。
13.バンタムチャックを広げることにより、スクリューチャックを20mm偏芯させます。このチャックの詳細はEccentric Screw Chuckを参照願います。
14.ビットを先に突いたセンターに合わせてから、ワークを手回しで回転させると偏芯した輪が描かれます。ボスを60度ずつ回転させながらこれを繰り返します。ドリルでは回転がチョッと遅いので、マイクロルーターをスタンドに付けられるように改造しなくっちゃ。
15.底はボタンジョーを使って仕上げます。
16.中央に3m/mの穴をあけます。
17.6m/mの真鍮でお香を挿す金具を作ります。お香を挿す穴は2.8m/mで丁度いい。
18.皿の中央に真鍮の金具を差込んで使うのですが、失くさない様にゼリー状の瞬間接着剤で固定しました。皿の模様が面白いかな。荏胡麻油でフィニッシュ。
完成。高さ260mm、座の幅170mm、皿の直径87mm。今回のテーマだった同期ユニットとドリルテーブルの試運転は
まずまず良好。これを使って益々面白い作品をご紹介出来るように頑張ります(^^)。

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