ウッドターニング作品 その29

2006/10/29
ローケツ染め[1]

2年前から計画していたウッドターニングとローケツ染めコラボ。やっと作り始めましたが、難しいですね。処女作は見事に失敗で見るに耐えられないような代物です。失敗こそが貴重な経験。役に立てば幸いです。[Batik&Paint]で用品類を紹介しています。
1.野草の煮出しです。今回は通販で購入したゲンノショウコとスオウを使います。100均で買った鍋に250ccの水と野草を入れて15分位煮ます。
2.ペットボトルの空に入れて冷蔵庫で保管すると長持ちするようです。スオウの赤は昔のニッキ水を思い出しますね。
3.トレーシングペーパーに今回染める皿の外形を鉛筆で写し取ります。ちなみに皿はタモ材です。
4.デザイン見本をそのトレーシングペーパーに写し取ります。
5.裏返して濃い目の鉛筆でなぞります。デッサン用の鉛筆が良いようですが、私はB5を使っています。これが次の段階でお皿に転写される訳です。
6.最初はゲンノショウコで黄色っぽく染めます。ペットボトルから絵皿に少量を取り出します。
7.カット綿に液を含ませて皿の表面に塗ります。
8.充分に乾燥させて、デザインを写し取ったトレーシングペーパーを載せ、その上から鉛筆でなぞります。黄色で残す分だけを転写させます(斜線が無い部分)。
9.こんな感じで転写されます。薄いところは鉛筆で加筆修正します。
10.ロウ伏せに移ります。ロウのポットはHCで売られているグルー用のポット(700円)を改造したものです。トグルスイッチで溶解時は100V、保温時は48Vに切り替えて使っています。
11.ロウで伏せた状態です。ゆっくり作業するとロウが固まってしまうので、細かい作業は難しい。それと筆は極細が有ると便利かな。
12.赤の色付けにはスオウを使います。最初にミョウバン水を全体に塗り乾燥させます。生ミョウバン小さじ一杯を200ccの水で溶解したものです。
13.充分に乾燥乾燥させてからスオウ液を塗ります。これを数回繰り返すと綺麗に発色します。が、ここで最初の失敗。早く乾かそうと屋外に置いてあったら日差しが強くなり、ロウが溶けて流れてしまった。仕方なくベンジンでロウを拭き取り最初からやり直しです。
14.気を取り直し最初からやり直しです。この工程まで来てスオウとミョウバンを5〜6回繰り返し良い色になったので、今度は赤で残す部分をロウで伏せます。トレーシングペーパーの斜線の部分を写し、その上をロウで伏せます。
15.ここでまた失敗です。ロウを塗りやすくする為にポットの温度を上げて塗ったら、乾いた後で見るとロウが流れているのです。「ギェ〜」なのです。更にロウを落とすのに温水を掛けて処理したら、全面が撥水するようになって・・。でも諦めません。硫酸第1鉄溶液とスオウ液を交互に塗り背景を濃くします。硫酸第1鉄溶液は小さじ一杯を200ccの水で溶いたものです。
16.根気よく硫酸第1鉄溶液を塗って、乾燥を繰り返していると渋い色合いになってきました。ところどころ白っぽいのは2回目の失敗のときに、撥水する箇所を耐水ペーパーで磨いた為です。失敗が続くとリカバリーも裏目に出てしまうのです・・。
17.ベンジンでロウを洗い流すと鮮やかな色が出てきます。と云いたかったが、度重なる失敗でコントラストが出ていませんね。「トホホ(- -#)」
18.直径110mmと175mm、オイルで仕上て完成です。いやぁ〜ほんと難しい。結構色んな失敗を経験したので、次はもっと鮮やかな作品を紹介できるかなと思います。「難しいけど面白い!!」

2006/11/12
小型の盆で同じデザインに再チャレンジだ。失敗を重ねたお陰で少しはましになって来たが、ロウ付けが課題だな。
母材は欅で蜜ロウ仕上げ。直径145mm×高さ25mm。

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